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毒蜜喰らわば
第8章 禁断の扉が開いた・・
胸で大きく息をして、呼吸を整える。
隣りに横たわる茂の手を握り、私は喜びのけだるさに身を任せていた。
「美智は・・いつもこんなに激しいの?」
茂の指が私の髪をかき分けて、額の汗を拭う。
からかうような茂の言葉に、恥ずかしくなって背中を向けた。
「私・・激しくなんかないのよ、いつもは。ほとんど受け身なのに・・
今夜はまるで自分じゃないみたいで・・こんな女は嫌?」
「嫌なんかじゃないよ。むしろやりがいがあったっていうか」
「やだ!楠木さんたら、意外とエッチなのね」
やりがい、という言葉に過剰反応した私を茂は大きな声をあげて笑った。
思わずシーッと口を塞ぎたくなったけど、ここはラブホテル。
どんな声が漏れたってお構いなしだ。
「本当は良くない事だけど・・こうして終わった後に笑いあえるっていいわね」
私も茂も結婚しているわけじゃないから、
不倫だと厳しく罵られることはないだろうが、恋人の事を考えると
手放しではしゃぐことはできない。
それに、私のほうは雅治と長すぎた春を淡々と過ごしているが、
茂のほうは違うかもしれない。