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毒蜜喰らわば
第10章 現れはじめる変化
部屋の明かりをつけないまま、少しの間
ベランダから見える都会の光の粒を眺めた。
こんなにたくさんの生活の灯りがあるという事は、
その下で日々の暮らしを送っている人たちがいる。
何十万、何百万という人たちの中から、一人の人と出会い知り合い、
繋がりができる。
雅治ももちろんだが、楠木茂や今日会った堀内雅斗も
ある意味選ばれた人間なのだ。
人の出会いって、不思議だ。
どうしてこの人と出会ったのだろう?
どうしてこの人と関係が始まるのだろう?
その謎を託すのはすべて「運命」という一言。
運命によって恋人として引合されたり、友達として引合されたり。
だけど・・堀内雅斗との出会いはなにか奥深い意味がありそうで、
怖ささえ感じる。
ただの友達、とは思えない。
私の過去の出来事を、その時の様子を見通した、イタコの孫。
私の運命の輪の中で、なにかがスピードをあげて回りだすのだろうか・・