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∮恋蜜度∮官能短編集
第5章 教師&生徒編 純愛
「誰だ、授業中に私語するのは?」
黒板を向き背中越しに注意すると一時の間、静まりかえる。
暫くすると再びボソボソと話し声が耳についたが、高木と相田の二人の声はもう聞こえてこなかった
“相田、黒板の字を写したか?”
先生の声があたしの頭の中でこだまする──
あたしがノート取るの遅いって知ってたんだ…
昨日の事が思い出され、先生に告白されたことを実感する‥
高木クンの気持ちも嬉しいけど──
どうしよう…
ちゃんとあたしの気持ちを先生に言わなきゃ…
あたしは覚悟を決めて、黒板と向かい合う先生の背中を見つめていた‥
授業の残りの時間を小テストに割り当て生徒達が問題を解いてる間、俺は皆の机の周りをゆっくり歩きながら見て回る。
相田の傍までくるとコロンと白い消しゴムが落ちてきた。
真新しい卸し立ての転がり落ちそうもない四角い消しゴム‥
不自然な落ち方を疑問に思いながら俺は手を伸ばした
──…っ!?
拾って無言で相田の机に置く‥
相田はうつ向いたまま小さな声でお礼を言った
胸が苦しい‥
唇を噛み締めテスト時間が過ぎるのを俺は待った‥