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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第6章 マリアの日記・・・
暴力が始まってからは
内容はえげつなくなる一方だ。


日付だったり、文面を見てると
日常的に暴力を振るわれる
というワケではないようだが


マリアは怯えていた。


日記から
少々の強気な言葉だとか

希望を持って頑張る
と言うような言葉が消えていった。


あきらめや絶望に変わって
されたことや
言われた事が
ただ書いてあったり…と
段々変わっていく。



『疲れるから』
『無駄だから』


なんて言ってたマリアの言葉が
妙にしっくりきた。


これだけの年月

こういうことから出てきた
言葉なんだろうな。




◯月□日

顔も見たくないと言われ

料理を

すてちまえと言われた。








◯月×日


「俺がいないと生きていけないくせに」

「くたばっちまえ」

「死ね」





◯月△日


カレーのお鍋
ひっくり返された。

左太ももに火傷した。







◯月◯日


腕にアザができるまで掴まれる。

首しめられた。







◯月×日


「頼むから死んで」

「ブス」




◯月□日

「俺の家だ、出ていけ」

「今すぐ出ていけ」










事の原因となること
前後の文面を見てると

マリアの言うように
きっかけは些細な事だったり
正直、下らないことだったりする。

ここまで言うか?

ここまでやるか?


どんな男なんだろう
実際のとこ…。


仕事のストレスを家庭に
家族にぶつけるタイプなのか…?

理解不能だが

こうした日々に
マリアが麻痺していってしまっている
そんな様子が伺える



だって・・・とても
声に出せないようなことまで


ズラリズラリと
並んでいたから。
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