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梅の湯物語
第3章 早朝営業は憩いの場
朝5時になると梅の湯に年寄りが続々とやって来る。

年寄りと言っても定年退職しただけで体力は有り余っている。

時間をもて余しているシルバーたちは朝5時に梅の湯の清掃にやって来るのだ。
もちろん給金は区役所から払われる。

脱衣所と洗い場を清掃して
早朝営業に向けて湯を沸かす。

脱衣所はロッカーの仕切りをなくしひと部屋にしてしまう。長テーブルと座布団を並べると早朝営業の準備は終わる。

朝6時、梅の湯の暖簾をかければ
今日の一番風呂の客がやって来る。

「庄五郎さん 今日も早いね」

健二が声をかければ

「おう、昔ッから梅の湯の一番風呂はオイラが入るって決めてるからな」

「そうだね」

年はもう90を過ぎているはず。
背筋を伸ばしてシャンと歩く庄五郎に健二はホウと称賛の息を漏らす。

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