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梅の湯物語
第7章 湯上がりラムネをご一緒に

「はじめまして
 この春から梅之木町にやって来ました
 柏木雅人です
 ヨロシクね」

爽やかに笑って右手を出された。

「野元 桜です」

桜もニッコリ笑い返す。

雅人が一瞬眩しげに桜を見た。

そっと差し出した桜の手を雅人はぎゅっと握った。

桜は中学から女子校だから年上の男性に免疫がなくて...
思わずぎゅっと目を閉じてしまった。

「桜ちゃん、かわいいね」

桜の仕草に雅人はにっこりと笑った。

「雅人先生、手、握りすぎ」

葉瑠の冷めた声に

「あ、ごめん」

そっと手を離した。

桜は恥ずかしくて顔があげられなかった。

「あ、葉瑠ちゃん今日の授業、遅れずに来いよ」

「はーい」

葉瑠は気乗りのしない返事をしている。

「じゃあな」

そう言ってなぜか桜の頭を撫でた。

ビックリして顔をあげると雅人が柔らかく笑っている。

桜は口から心臓が飛び出すという言葉を体感した。


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