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永遠の番い
第2章 つがい
よく朝、起きると悟の姿はなかった。

1枚の短い手紙が残されているだけだった。

「美香、3年間本当にありがとう。
俺の全てをかけて愛していたよ。

俺は子どもを残す気はなかった。
孤独な一千年を経験させるのは酷だと思ったからだ。

でも―――俺の弱さを許してほしい」

涙は、流れて止まらなかった。

「やだ。ばれてたんだ」

少し強めに唇をかんだ。血が出るほどに。
それをキスした時に悟の舌に押し付けた。
上手くいく保証なんかなかった。

悟は全て分かっていて、最後の最後に私の中に精を放った。

「私だって弱くてごめん」

悟の子供が欲しかったの。
悟の花嫁になりたかったのよ。
悟の思い出が欲しかったの!

もし・・・
悟の言う「弱さ」が生きた証を残すことならば。
悟は私の血を感じていた。

その上で、悟は私に精を残した。

「一千年目がいつだか忘れたなんて・・・嘘ばっかり」

悟は昨日が最後だと知っていたに違いない。
だから。
だから私に別れを告げたんだ。
突然いなくなるよりは、と。

昨日のデート。
1日中、悟はどんな気持だったのか。

「バカね」

一緒に泣いてあげたのに。

私に嘘をつき通して
泣くことさえしないで、無理して笑顔で1日を過ごして。

「バカね」

悟の笑顔しか思い出せないよ。

それなのに私は涙が流れた。

私はそっとお腹をなでる。
そして確信する。


私たちは『永遠の番い』となった―――


END****

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