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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第12章 二人の関係
「マスターが言うしおりさんは、バンドのボーカルをしていましたか?」
友人の質問に、うーんと空を仰いだマスターが、しばらくすると、あぁ!と声をあげた。
「あぁ!バンドのボーカルをやっていたと、確かに聞いた事があります。今は、解散してしまったようですが、それがどうかしましたか?お二人は、詩音莉のお知り合いですか?」
はい!と言おうとした友人に、俺は小さく首を振り、その返事を拒んだ。
俺らが詩音莉の友人かなんて、マスターに伝えたとこで、どうなる?
そんな事は、どうだっていい事だ。
マスターが詩音莉の彼氏なら、俺は聞きたい事がある。
やつれていく詩音莉を見ていて、疑問に思っていた事。
それをマスターに聞きたかったんだ。