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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第13章 消えた記憶
そんな疑問は、街中であの女と偶然会った事で、さらに深いものへとなる。
その日俺はバンド仲間に頼まれて、ドラムとしてライブに参加していた。
ライブも終わり、仲間と共に会場を出ると、何人かのファンがいた。
イケメンが多いこのバンドには、熱狂的な女性ファンが多い。
特にボーカルのKiratoは、あのbarのマスターと同じ位のイケメンで、男の俺から見てもいい男だ。
外を見たKiratoが、ハァーッと深いため息をついて俺に言った。
「応援してくれるのは、有難いんだけどな。あまりに熱狂的になりすぎると、対応に困るよ。」
「イケメンならではの悩みだな。」
少し嫌味っぽく言った俺にKiratoがイタズラっぽく笑う。