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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第13章 消えた記憶
「ちょっと、触らないでよ!」
ハッとした女が、俺から体を離して、俺の手をパッと払った。
「おい!この傷どうしたんだ?」
「えっ?……っ?」
女は首筋を触ると、俺を見てハァーと、大きなため息をつくと、しょうがないわね!と言うように、俺に笑いかけた。
「もう、付き合うわよ。聞きたい事何でも聞いて。嘘なんてつかないから、安心してよ。正直に答えるわ。」
「すまん…。」
「いいわよ。あんたの必死さに負けたわ。」
クスッと笑った女を見て、焦っていた俺の気持ちも少し落ち着いた。