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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第14章 紫艶の正体

蒼白いマスターの顔に、ただならぬ恐怖を感じ、俺は体を後ろへと倒した。

っ…!!

たまたま手をついたその場所に、割れたグラスの破片があったようだ。

さっきマスターがよろけた時に、割れたのだろう。

その破片が俺の指に刺さったみたいだ。

俺の指から赤い血がツーッと流れる。


やっちまった!


そう思い傷口を押さえようとした俺の指が、突然グイッと力強く引っ張られた。


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