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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第14章 紫艶の正体

マスターの体は、人間とは思えないほど、氷のように冷たかった。
まるで、体温などないようなほどに。
「マスター、大丈夫ですか?」
「あぁ、ごめん。大丈夫です。しばらく休んでから帰ります。ありがとう。もう平気です。」
そう言ってマスターは、店の椅子にゆっくりと座った。
暗い店内で、マスターの蒼白い顔が、不気味に見えて、俺は少し恐怖を感じた。
その姿は、人間の形はしているが、やはり人間ではないように見えて…。
そんなマスターを俺は、ジッと見つめてしまった。

