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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第5章 ヴァンパイア
「詩音莉が倒れているから、助けて欲しいと、男の人から店に電話があったんだ。来てみたら、詩音莉がここで倒れていて、ビックリしたんだけど、何があった?」
ジョーが心配そうに聞いてきた。
「さっきね…ここで…。」
ジョーにさっきまでの事を話そうとした時、私はあの人の言葉を思い出す。
『今日見た事は誰にも言うな。いい子にしていれば、また相手をしてやる。』
私、ちゃんと覚えてる。
今回は忘れる事なく全部覚えてる。
あの人が、私の首筋に牙を刺したことも…。
あの人が私の血は極上だと言ったことも…。
あの人から与えられる甘い快感も…。
絶対に話せない。
だって、私はあの人にまた逢いたいって思ってるから。