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甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第5章 ヴァンパイア
ヴァンパイア…。
私も詳しくは知らない。
でも、その名前はすごく有名で、ある程度の知識なら、だいたいの人が知っているはずだ。
細かい事は、色々言われているが、大まかな生態は、どの本を読んでも同じように書かれている。
『美しい容姿で、相手を魅了しその生き血をすする。』
まさにあの人は、それだった。
燃えるような紅い瞳に、人を魅了させる妖艶で美しい容姿の人。
私はあの夜に、彼に出逢い一瞬で恋に落ちた。
彼の吸血シーンを生で見て、そして自分もまた吸血されても、彼への思いは募る一方だった。
彼の牙が私の首筋に深く入るあの瞬間の痺れるような甘い快感。
それを思い出して、私の体は疼いていく。
私…まだ処女なのに、彼に抱かれたいと思ってる。
そもそもヴァンパイアは、相手を抱いたりするのかな…?
私にとってヴァンパイアの知識は、ほぼないような物だった。