この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
行こうぜ、相棒
第11章 It’s a Mistake









先生が死んだことは、リエからの電話で知らされた。
進行性の胃がん。発見から逝去までわずか二ヵ月だったという。

「聞こえてる? お姉ちゃん、私の声、聞こえてる?」

リエの声が薄く、受話器の向こうから響いてくる。
しかしそれは声として認識されることなかった。単なるノイズに過ぎなかった。

うるさいな、

とエリは思った。だからワーカムの電源を切った。世界とつながるラインが、それで、途切れた。

エリはたったひとりで、座敷にへたり込んだ。
そして、混乱した。
あの砂浜での出来事の後、まだ先生に会っていなかった。
その意味では、まだ、抱いてもらってさえ、なかった。
心を開け放ち、初めてなにもかもをさらけ出した相手は、何の脈絡もなくエリの人生の舞台から退場してしまった。
さよならの一言も告げず。
ありがとうの一言も告げられず。
先生は、まるでろうそくの炎を吹き消すようにはかなく、エリの前から姿を消してしまった。

『――癌なんだ。
元気そうに見えるけど、多分あと半年。酒は飲めるけど、おでんのような柔らかいものでなくては、胃が受け付けなくてね』

あれは少しも冗談なのではなかったのだ。



/145ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ