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行こうぜ、相棒
第11章 It’s a Mistake









それから2年の月日がたち、先生が予言した通り、エリがどこかに置き忘れてきた心のピース(破片)を持った男が現れた。

彼は世界の辺境で傷つき、荒(すさ)んだ眼をしていた。
エリは最初、彼がその人なのだと気づくことができなかった。
しかし、あの時、モンステラのプリント柄のワンピースを何気なく買い求めた瞬間に、天啓のようにエリは気づいた。

自分が、その男を捕まえなくてはならないのだ、ということに。
その男に、自分が抱きしめられなければいけないのだ、ということに。

それから彼女は持てるネットワークを総動員して彼を探した。結局見つけたのは、ほんの偶然のきっかけであったが。
そして彼女の前に現れた男は、エリと同じぐらい、心にしん、とした空洞を持っていた。
アコースティックギターの弦の振動音が、サウンドホールで共鳴し、美しくひとの耳に響くように。
心にぽっかりとした穴を持ったエリと柏木は、互いの過去を共鳴させながら、たちまちのうちにひとつにつながっていった。



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