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行こうぜ、相棒
第12章 Up Where We Belong
玄関の三和土(たたき)に、午前中の光があふれている。こんな朝の光のなかで私を抱いてくれるなんて。光を恐れる彼なのに、どうして?
一瞬そう思ったが、それもすべては性の奔流に飲み込まれてゆく。
柏木の前歯がエリの乳首を吸い取り、甘噛みする。
身震いするような快感が、身体じゅうを駆け巡る。
「くはぁぁ…っ」
コリコリと乳首を噛まれると、腰の奥がムズムズしびれて、頭がぼんやりする。ショーツの奥で、ジュワっと濡れるのを感じる。
そのまま柏木は、玄関に続く廊下の壁に、エリを押し付けた。
そして、両手首を掴み、両手を上げさせた。あの時のように。
エリの無防備な脇が、さらされる。
「あぁ…っ。いやぁ…」
そのすべすべの肌に、柏木のキスの雨が降る。
汗の香りがするかもしれない。変な匂いがするかもしれない。シャワーも浴びてないし。そんな思いが乱れるが、すべてはむさぼるような彼の勢いに流されてゆく。
脇の素肌に甘い舌先が滑ると、腰がのけぞるように動いてしまう。
「ひゃぁぁっ」
そこを舐められ、片手で逆側の脇からアンダーバストにいたるラインを揉みしだかれると、意識が薄れるような快楽が身体の芯から全身を引きつらせる。
「いやぁ…ダメダメダメ…」
両手をバンザイの姿勢にさせられたまま、エリは迫りくる強い快感を本能的に避けようとするが、柏木がその唇をキスでふさぐ。
彼の舌がエリの唇を押し開き、口の中に侵入してくる。
溶けちゃう。溶けちゃう。
意識が、理性が。
ヌルヌルの彼の舌がエリの舌と絡み、エリの歯をひとつひとつ、舌先が愛撫してゆく。荒い息をふたりともがしながら、キスの魔力に溶けてゆく。
「おまえが…欲しい…エリが…欲しい」
うわごとのように柏木が言う。キスの合間に。肚(はら)の底から言葉が沸いて、あふれていた。
「奪って…お願い…私を奪って…」
エリも夢中で言葉を返す。
彼にすべてを奪われたかった。自分のすべてを、奪い去ってほしかった。