この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
行こうぜ、相棒
第4章 Rule The World
男は初めて、こちらを向いた。
ゆっくりと、首を巡らし、こちらに向き直った。
深い彫りと、エラの張った顎。薄い唇、ウェービーな髪。
その髪の感触はどうだろう。柔らかいのか、それともこの人となりと同様に、ゴツゴツと硬いのだろうか。
「口説く? そんな面倒なこと、するものか」
男の唇が皮肉げに歪んだ。
そして、断ることを想定していない口調でこう告げた。
「――俺の部屋に来い。ココの9階だ。このマティニを開けたら、行くぞ」
それが、今にして思えば、口説き文句だったのかもしれない。
そしてエリは、その男に抱かれた。
瞬く間に追い詰められ、その熱いエキスを胎内に受けた。
それを思い出すと、今でも胸が苦しくなる。