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行こうぜ、相棒
第7章 No One Is To Blame
眠る前、ベッドを並べて横になり、ふたりは今日一日の出来事を語り合った。それはふたりの人間が体験を語るのではなく、ひとりの人間の記憶を並列化し、共有するための儀式だった。
それは双子にとってのスリリングなゲームであり、些細な遊びの延長だった。
ファーストキスはリエが先だったが、初体験はエリが先だった。
リエのファーストキスの相手と、その三日後、エリもファーストキスを済ませた。ヨシユキ君、というその少年は、知らぬ間にふたりの少女とぎこちない口づけを交わし、パフェを食べて映画を観た。
初体験は高校二年の夏。
エリのバイト先の大学生がその相手だった。
二度目のセックスでまたも出血した相手の女子高生が、「慣れるまでは何度かあるのよ」と普通に言うものだから、そのサクラさんという大学生は、自分がふたりの女性の処女膜を破ったのだという事実を今でも知らずに過ごしているはずだ。