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第9章 Want your body

先生はその涙を見ても、何も言わなかった。
そしてゆっくりと、エリの方に歩みを寄せた。
そのタオルを取ると、緊迫されたエリのヌードの身体をじっと見つめた。
そして、乳房に触れた。
エリの身体が鋭く反り、彼女は息をのんだ。
指先が縄で縛られ強調された乳房をそっと絞る。
「あぁっ！」
声が、自然に漏れた。自分でも驚くほどの大きな声だった。
淫らな格好に固定され、自由を奪われて。いま、官能のボタンにソフトに触れられるだけで、身体が悲しいくらい反応してしまう。
先生はバストの谷間に指を当て、気が遠くなるほどゆっくりと、その指先をヘソの方に下ろしていった。
「あぁ…はぁぁ……」
身悶えするほど切ない刺激が身体の中をかけめぐる。
性器を刺激するのではない。
精神を刺激するのだ。
縄は、その象徴なのだ。
エリは、唇から唾液が漏れたその瞬間、そのことに気づいた。

そして……。
そして自分が、そのことをこそ、求めていたことに。