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第9章 Want your body

ため息のように、エリは気持ちをやわらかく漏らしてゆく。こんなこと、ずっとなかった、とエリは思う。あの年上の人以来、ずいぶんなかった。
柏木は答えない。
ただ、エリの膣の中に、その指先をそっと、侵入させてきた。
膣がキュッとすぼまり、

「あぁっ」

声が漏れてゆく。
ヌルヌルになった膣の中を柏木の指がうごめく。
何も答えてくれなくていい、甘い言葉など、少しもいらない、とエリは思った。
こうして肌を合わせているだけで、他では味わえないような幸福感に身も心も溶けてしまいそうだった。

エリは指先で柏木の張り詰めた亀頭をやわらかくマッサージする。指先に彼の蜜がついて、それがペニスの肌をなめらかにする。
柏木の指がペニスのごとくエリの膣をこねるように、エリもまた、柏木の性器を包み込み、指先でつくった膣で彼を何度もこすり上げた。

最初の時とは全然違う、とエリは思う。
あの荒々しさはいまは少しも感じられない。

柏木が身を起こす。指先がエリの膣を離れ、彼女の指もまた、彼のペニスから離れる。
彼の両手が自分の左右の太ももを大きく割るのが分かった。
そう、そうよ…。
エリは求める。
柏木とつながることを。
彼とひとつになることを。