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第11章 同窓会

「バンド…をされてると？」
「はい。音楽…ミュージシャンをやってます」

「ミュージシャン」という言葉に顔をしかめた。
やっぱりいい加減でチャラい男と思われたか？

「…お父さんが心配なさっているのも無理はありません。まだBlue Eyesのことを知らない人も多いです。ですが、娘さんといい加減なお付き合いはしていませんし、彼女のお金にぶら下がっている訳じゃありません。娘さんを本当に大切に思ってるんです！だから……」

あれ？このセリフって…
結婚前に、ご両親に挨拶しに来た感じになってない？

「困ったな」

小さな声で呟いて、頭を掻くお父さん。
やっぱり交際反対される？
次の言葉を待って、身が硬くなる。

「ははは、堅苦しくならないで下さい。別に交際を反対してる訳じゃないですよ…」
「えっ!?ありがとうございます！」
「先ほどの私の態度で不快にしていたら申し訳ない…」
「いえ、僕もすぐに説明しとけば良かったものを…」

茜さんのお父さんって、見た目より柔らかいんかも。
笑った顔がどことなく茜さんとダブる…