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甘い時間は2人きりで
第12章 仲直り?
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そうだ、小さい頃から父は優しかった…
ママが生きていた時、私が風邪で寝込んだいると朝までずっと看病してくれた…
公園に行ったら、疲れているのに遊び相手になってくれた
キラキラして、楽しくて、忘れちゃいけない思い出なのに…
ママが亡くなって、預けられた祖父母の家での抑圧された生活が、大事な思い出を忘れさせてしまった。
気を遣って、誰かの顔色を伺う性格になってから、思い出す機会が無かった…
いや、思い出そうともしなかった…
私は最低だ…
「ごめん、なさい…お父さん…ママ…私」
「……」
止めどなく溢れる涙を拭っていると、突然抱き締められた。
「お、お父さん!?」
いきなり抱き着かれて周りを見ると、コンビニに停められていた。
「茜、辛かったな…」
「え、あっ、いやお父さん…」
「これからは、辛い思い出を減らして、楽しい思い出を作ろうな!」
「…うん」
突然のことだから、涙も引っ込んじゃった…
抱っこはされた記憶はある。
でも、お父さんにこうやって、抱き締められるの初めてだ…
ずっとして欲しかったこと…
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