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甘い時間は2人きりで
第12章 仲直り?

「迎えに行くと、お前の隣に彼氏が居てびっくりしたよ。しかも…バンドマンだなんて…」
「ごめんなさいパパ…いきなりでびっくりしたよね…」
「確かにびっくりしたけど、話をしていく中で茜に対する気持ちを押してもらったんだ

まだ茜と向き合う踏ん切りが付かん時に、山岡さんにその話をしたら…
『彼女も甘え方が分からないだけ。もう手遅れみたいに言うな』と怒られたな…」

信号で止まると再び私の顔を覗き込んできた。
瞳が僅かに揺れているように見えた…

「茜…」
「はい…」
「今更だと思うが。父さんと一緒に思い出作りをしてくれるか?」

私を写すその目は少し潤んでいた。

「うん!」
「ありがとうな。こんな親父のワガママを聞いてくれて…」

「そんなことないよ。私もごめんなさい…私もお父さんみたいに気持ちに踏ん切りが付かなかった。でも今回勇気を出して、帰ってきて良かった…」

父が急いで、車のポケットからティッシュを差し出してくれて。
それで、自分が泣いていることに気付いた。



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