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甘い時間は2人きりで
第18章 社員旅行
「マシになった?」
「ん…」
洗面所で口をゆすいでから、布団に寝かせてもらった。
「この布団は俺が寝るとこやから、シワシワにしてもええよ」
「ありがと…」
気分が落ち着いても、先ほどの光景を思い出してモヤモヤする。
春人がモテる場面を目の当たりにして、焦りが出ていた。
「ごめんな、涼介から聞いた。お酌されてるとこ見たって…」
言わないでって頼んだのに…
黙っていると、頭を優しく撫でられた。
「あの子はスタッフで、俺は何とも思ってないから」
「嘘だ」
「嘘ちゃうよ。知ってるやろ?俺がどんだけ茜さんにゾッコンか…」
身体をゆっくり起こすと、安心させる笑顔を向けてくれた。
春人のこの笑顔が好き…
でも、その優しい笑顔で好きになる女性だっている。
その好きになった相手に、春人が取られそうで怖くなった。
春人は分からずに笑顔を向ける…
恐怖とやり場の無い嫉妬に、抑えていた気持ちが爆発した。