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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
茜さんのベッドに入って、苦しむ彼女を包み込むように抱き締めた。
夢の中でも怯えているのか、小刻みに身体が震えている。
「大丈夫やから…俺はここに居るから」
「春人…」
俺の声が届いたのか、呼吸の乱れと身体の震えが収まった。
額の汗を拭って、額にキスを落とした。
腕の中に居る彼女の体温を感じながら、再び目を閉じた。
ーーーーーーー
「…ん」
カーテンから漏れる光で目が覚めた。
腕の中の茜さんを見ると、まだ目を覚ましていない…
今日も起きやんか…
なんて思っていたら、茜さんがいきなりモゾモゾと動いて、ゆっくり瞼を開けた。
「…おはよ」
「…っ」
俺を見ると、一瞬顔を強張らせて、顔を歪めて目に涙を溜めた。
「は、春人…」
ボロボロ涙を零しながら、俺の胸に顔を埋めた。
「わ、私、ごめ、んなさ…」
「謝らんでいいよ。もう分かってるから」
「ふっ、私、春人に何も言ってな…」
「分かってるよ。俺に気遣ってくれてたんやろ?」
「あ、あ…」
弱々しく抱き付いてきた茜さんが泣き止むまで、背中を優しくさすった。
少しでも安心させたかったから…