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甘い時間は2人きりで
第21章 冷たい視線
頰をツンツンと突いても、寝息を立てて全く起きない。
もしかしたら、このまま起きやんのか…!?
「彼女、大丈夫ですか?」
ベッドの用意をしに来た看護師さんに聞いてみた。
「まだ検査等を行っていないので分かりかねますが、意識は戻られると思いますし、後遺症も無いかと…」
「そうですか…」
「ご用意出来ました。また何かありましたらお呼びください」
ベッドに腰掛け、茜さんの顔を覗き込む。
痛むのか時々顔をしかめている。
繋いだ手をギュッと握り締め、指先にキスをした。
「今日は俺が居てるから…」
ベッドをくっ付けて、手を繋いだまま目を閉じた。
ーーーーーーー
「はぁ、はぁ…」
微睡んでいると、隣から荒い息が聞こえてきた。
「…茜さん?」
「…やだ、こ、ないで…」
「茜さん!?」
額には汗が吹き出して、眉間に皺を寄せて苦しんでいた。
いつの間にか手は離れ、茜さんの左手が俺を求めているように見えた。