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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人

「で、でも…」
「長野さんの言う通り。長野さんが『楽しんでおいで』と言ってくれてるんですから、我慢する事じゃ無いですよ?」

頑なな千代ちゃんに、部長が助け舟を出してくれた。

「それに…来週から忙しくなるんですから、今のうちにストレス発散は出来るだけやった方が良いですよ?ライブに行けなくて、後になって後悔しても知りませんよ」

不安げに見つめる千代ちゃんに微笑んだ。
「大丈夫」だと…

それを見て、私の手を握り返しながら、ポロポロと涙を零した。

「先輩、ありがとうございます!」
「私がライブに行く許可を出すわけじゃ無いから大丈夫だよ…楽しんで来てね」
「はいっ」

千代ちゃんが泣き止むのを待って、部長が手に持った紙袋を広げた。

「お見舞い品を持って来ました。このお菓子は僕から。満月堂のどら焼き好きって聞いたから」
「ありがとうございます…」
「花束と焼き菓子の詰め合わせは、部署の皆から。メッセージも預かってあるから」




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