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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人
「うー、いててて…」
やはり身体を動かそうとすると、痛みが走る。
自力で動けるようになるには、どれくらいかかるんだろ?
トイレに行くにも、付き添ってもらわないと行けないし…
「はぁ…」
テレビのワイドショーを眺めていると、夕方になってコンコンとノックされた。
何回もノック音を聞いていたので、もうビビらなくなった。
「はーい、あら、空くん」
「空くん!?」
「よっ」
空くんは片手を挙げて部屋に入って来た。
「おばさん久しぶりです。おじさんは…」
「今、茜ちゃんのアパートに荷物を取りに行ってるの。しばらくしたら戻ってくるわ」
「そうですか。茜ちゃん、これ」
フルーツバスケットと花束を渡してくれた。
「ありがとう。今回のことで企画が遅れてごめんね…あの人も起こってるんじゃない?」
「気にしなくても良いよ。ただ、茜ちゃんの見舞いに行くって聞いて、ちょっと不機嫌になってたけどね」