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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人
「え、あ…そんな泣かんでも…」
電話の向こうで、春人の狼狽える姿を想像して、思わず吹き出した。
「…どうしたん?」
「ううん、何でもない。ごめんね、いきなり電話して…」
「いいよ、今リハの休憩で時間有ったし、俺も声聞きたかった」
その言葉に、頰がだらしなく緩む。
目の前に春人が居なくて良かった、居たら絶対「可愛いー」とか言って来そう…
周りを見渡すと、藍さんは気を利かせてテレビ前のソファに離れて座っていた。
窓際に移動して、イヤホンを付けて通話ん続けた。
「体調はどう?怖くない?」
「身体は痛いけど、気持ち悪いとかそういうのは無いよ。春人は?リハーサルは…」
本当は山梨から大阪に行くはずだったのに、東京に戻ったから、その分現地での準備が遅れたに違いない。
「大丈夫やで。明日のライブのパフォーマンスの通しやってるだけやから。茜さんのせいで遅れたとかは無いから!」
「うん、ごめんね…」
「謝らんでもいいよ」