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甘い時間は2人きりで
第22章 犯人

「茜さん、気分転換に外出る?」

昼食後、春人が中庭を指差して尋ねてきた。

「そうだね。天気良いし、今は人も少なそうからし…連れてってくれる?」
「よっしゃ、行こっか」

車椅子を押して中庭まで連れて行ってもらい、人が少ないイチョウの木の傍のベンチに座った。

入院して初めて外に出たな…
肌に感じる風が心地いい。

「昼前の検査どうやった?」
「大丈夫だったよ。打ち身だけだから、安静にしてたら治るって。あと、骨折してる箇所も順調に回復してるみたい」
「良かったな…」

安心したように、優しい笑顔で顔を撫でてくれた。

「退院してしばらくしたら、横浜でデートしようよ」
「それは嬉しいけど、ツアーで忙しいんじゃないの?」
「ツアーの合間に都内でラジオ出演とかある日は夕方で終わる時もあるから、そん時に行こうや」

時間作って会いに来てくれるのは嬉しいけど、あんまり無理しないで欲しいな…





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