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甘い時間は2人きりで
第25章 不安を打ち消す存在

「はい、ギプス取りますね」

あの事件から2ヶ月経ち、ようやく右腕が完治した。
ギプスが取り除かれると、締め付けられていたから少し細くなってる。

「骨はくっ付きましたが、しばらくは右手で重たい物は持たないようにして下さい」
「はい」
「まだしばらくはカウンセラーで通っていただきますので、ご了承下さい」
「はい…」

毎週、検査と心療内科でのカウンセラーを行なっていた。

たまにあの時の恐怖を夢で見る事があり、うなされることがあった。
さらに今まで普通に歩けていた夜道が怖くなり、不意に後ろに立たれると震えが出てくるようになった。

心療内科の先生に、今の自分の気持ちを打ち明けてみた。

「先生、出来るだけ早く治したいんですが…」
「長野さんの恐怖の対象が、あのストーカーですからね。根気強く治療をしていくしかありませんね」
「はい…」

出来れば復帰する前に、普通に戻っていたいのに…





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