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甘い時間は2人きりで
第25章 不安を打ち消す存在
夕方6時、意を決して家から出てみた。
出てみたが、特に身体の変化は感じられない。
なんだ、大丈夫じゃない…
そう思って、しばらく歩いていると、足取りが重くなってきた。
さらに、誰も居ないのに見られているような感じがする…
やっぱりダメなの…?
震える身体を抱きしめたまま、その場にへたり込んでしまった…
「姉ちゃん!」
滲んだ視界に裕太とペロが見えた。
「裕太…?」
「強がってあんまり無理すんなよ。治るもんも治らねぇだろ?なぁ、ペロ?」
「キューン」
ペロがゆっくりと身体を擦り付けてくる。
私を安心させるように…
「迎えに来てくれたの?」
「あ、いや…ペロと散歩に行きたくなっただけだよ…」
「ありがとね。ペロもね」
「…早く帰ろうぜ!腹減った」
行きとは違い、裕太とペロが居るから恐怖を感じなかった。
「ただいまー」
「お帰り!茜ちゃん大丈夫なの!?」
「大丈夫じゃなかった…」
「無理しちゃダメよ!治らないようなら、ここから会社に通えば良いから」