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甘い時間は2人きりで
第29章 2人きりの旅行
翌日、箱根の観光地を回り、お昼は事前に決めていたお店へ。
昨日の勝負に負けたのに、春人が1番高いステーキ御前を注文した。
「え、本当に注文したの!?」
「美味しいもの食べて帰ろうや」
「勝負した意味無いって…」
飲み物が運ばれてくると、春人がこんな事を尋ねてきた。
「なあ、今日は何の日か覚えてる?」
「えっ!?」
うーん、何だろ…
思い当たるものが見つからない…
「今日は俺と茜さんが知り合った日。茜さんがベロベロに酔っ払った日やで」
「あっ…」
そうか、春人と知り合ってもう1年経つんだ…
春人とはその前に1度会ってるらしいけど…
「ごめんね、私覚えてなくて…」
「ええよ、記念日とかじゃ無いから分かりにくかったな。あの時、茜さんが俺の誘い受けてくれてホンマに嬉しかった。ありがとう」
柔らかな笑みを向けられ、顔をうつ向けた。
「面と向かって言われると…」
「ふふっ、1年経つけど、茜さんのこと全然飽きへんわ。いっつも新鮮に感じる」
「それって褒めてる?」
「当たり前やん。茜さん、いつもありがとう。これからもよろしく」
「はい。よろしくお願いします」