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甘い時間は2人きりで
第30章 春人の異変
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翌日、新幹線に乗って山梨県に向かい、とある駅まで電車に乗った。
駅に着いて、しばらく待っていると黒い大きな車が目の前に止まった。
「茜ちゃん!」
「琴音さん。すみません、朝早くから」
車から降りて来たのは、カメラマンの琴音さん。
昨夜、琴音さんにラインを送って「春人に会いたい」とお願いしたら、この駅で待っているように言われた。
「ええよ。ハルくんの事心配して来てくれたんやろ?」
「はい。あの、春人は…」
「車の中で話すわ。さあ乗って」
琴音さんの話によると、バックステージに戻っても春人は動かずに、ジッと椅子に座っていた。
マネージャーさんに何度か声をかけられて、しばらくして立ち上がると、ステージに戻っていったそう。
しかしライブが終わると、全員に頭を下げると逃げるようにライブハウスを後にして、ホテルに篭ってしまった。
スタッフさんやメンバーが話し掛けても、部屋から出てこず、皆やきもきしてるらしい。
「一応生きてるらしいんやけど、まだ部屋に篭ったまんま。今日もライブあるのに、このままじゃリハも出来へんのよ」
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