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甘い時間は2人きりで
第5章 気持ちよくなって:爆発編
「お疲れー」
「お疲れ様でした」
都内のあるレコーディングスタジオで、新曲の音録りをしていて、ただいまベースを録り終わったところ。
「お疲れー」
「おう」
スマホの画面を一瞥してから、小さく息を吐いた。
金曜日の夜から茜さんにラインを送っても、全く返信が来なくなってしまった。
「既読」にはなるから、俺のメッセージは読まれてるみたいやけど…
電話にも出てくれやんし…
金曜日に電話越しに聞こえた鼻をすする音、絞り出すような声…
それが気になったが、土日はレコーディングで夜遅くまでスタジオに籠ってたから、彼女に会いに行く時間も無かった。
「どうしたん?スマホ眺めて」
「また返事来てなくて…」
ベースの光ちゃんに彼女のことを相談してみた。
「嫌な事があったんやろ?聞いたれよ」
「聞いたよ、ノーリアクションやった」
電話の直後にラインをかなり送ったが、今は相手もウザがっているだろうから、ごく日常会話みたいなメッセージを送ってる。