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『コミックサイトで逢いましょう』―番外編―
第2章 【第二部】 kiss・きす・キッス!
それはちょっとした気の緩みだった。
普段だったらまずしないこと。
それだけ身体が疲れていたのだろう。
「ゲッ、10時20分!!遅刻だよ、遅刻~~」
よりにもよって耿輔との待ち合わせで寝坊してしまった。あんな鬼畜なヤツとの約束に遅刻しちまうなんて…。
大学に入ってから、人との待ち合わせで寝坊こいたのは初めてだ。その初めてが耿輔だなんて…いゃーな胸騒ぎがする。
とにかく最短で支度を済ませると、駅まで猛ダッシュ。ここから更に待ち合わせの渋谷まで電車で約30分掛かる。
1時間近い遅刻にも拘わらず、ヤツは大人しく待ち合わせ場所で待っていた。
(もっとも大人しくかどうかは疑わしいが)
「おせーよ!何してた!」
「ゴメン…寝坊こいた…」
「ふーん…いつもは時間に厳しいおまえなのにね。モトミ君でも遅刻することが有るわけだ…ふーん」
嫌なヤツだ。
いつも自分が時間にルーズなのを俺に指摘されてる仕返しか。でも遅刻は遅刻。たとえ理由はどうあれ…。