この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
堕天使 1st gig.
第8章 過去

初めての体験くらい、ちゃんと俺に愛されている実感が欲しいリナに俺は自分の苛立ちをぶつけて無理矢理に抱こうとしていた。
まるで、それじゃ強姦だ…。
馬鹿な自分に笑いたくなった俺に
『アルト…?』
とリナが不安そうな顔で俺を見ていた。俺はリナをいつものように抱っこして、肌けたパジャマのボタンを閉めてやりながら俺はリナに
『ガキの頃の話しだ。』
と何故か自分の話しを始めていた。リナは落ち着いて俺に抱えられ、いつものように身体の力を抜いて俺にもたれるように俺の腕の中にいた。
だから、俺はこれ以上は今夜はリナには何もしないつもりで俺の機嫌が悪い理由をリナに話していた。
俺が人に自分の事を話すのは初めてだ。だから、何から話していいのかがわからない。
俺の親父は社会科の教師だった。親父は中学で先生をやり、お袋は小学校で音楽科の先生だった事は覚えている。
妊娠で腹が膨らんだお袋は学校を休み、教師の子だというのに勉強嫌いで遊んでばかりの俺に
『もうすぐ、お兄ちゃんになるんだから少しは勉強しなさい!』
とお袋はすぐに怒る。だけど親父は物静かな人で、いつもニコニコしながら俺に
『勉強は嫌いでも本はたくさん読みなさい。』
とだけ言って来る。お袋はそんな親父にも俺に対して甘いと怒り、親父はただニコニコしているだけの人だった。親父は結構いい家の生まれだったらしいが、お袋は貧しく、勉強して努力して教師になった人だった。
だからお袋は俺にも努力しろと言い続け、親父は好きな事が見つかれば勝手に努力するもんだと俺が好きな事を見つける為に本を読めと繰り返した。
音楽の才能はあったけど、貧しくてピアニストにはなれず教師になったお袋と、好きで社会の教師になった親父との違いにその頃の俺は理解なんか出来ずに、本すら読まず、遊んでばかりだった。
その頃は、世界大戦が始まった時期だった。毎日のようにテレビに映される戦争は頭の悪い俺には絵空事でしかなかった。
ただ、やはりうちも貧しくなっていたのは事実だった。食事が少しずつ貧祖なものになり、電気を俺がつけっぱなしにするとお袋が目くじらを立てるようになっていた。
まるで、それじゃ強姦だ…。
馬鹿な自分に笑いたくなった俺に
『アルト…?』
とリナが不安そうな顔で俺を見ていた。俺はリナをいつものように抱っこして、肌けたパジャマのボタンを閉めてやりながら俺はリナに
『ガキの頃の話しだ。』
と何故か自分の話しを始めていた。リナは落ち着いて俺に抱えられ、いつものように身体の力を抜いて俺にもたれるように俺の腕の中にいた。
だから、俺はこれ以上は今夜はリナには何もしないつもりで俺の機嫌が悪い理由をリナに話していた。
俺が人に自分の事を話すのは初めてだ。だから、何から話していいのかがわからない。
俺の親父は社会科の教師だった。親父は中学で先生をやり、お袋は小学校で音楽科の先生だった事は覚えている。
妊娠で腹が膨らんだお袋は学校を休み、教師の子だというのに勉強嫌いで遊んでばかりの俺に
『もうすぐ、お兄ちゃんになるんだから少しは勉強しなさい!』
とお袋はすぐに怒る。だけど親父は物静かな人で、いつもニコニコしながら俺に
『勉強は嫌いでも本はたくさん読みなさい。』
とだけ言って来る。お袋はそんな親父にも俺に対して甘いと怒り、親父はただニコニコしているだけの人だった。親父は結構いい家の生まれだったらしいが、お袋は貧しく、勉強して努力して教師になった人だった。
だからお袋は俺にも努力しろと言い続け、親父は好きな事が見つかれば勝手に努力するもんだと俺が好きな事を見つける為に本を読めと繰り返した。
音楽の才能はあったけど、貧しくてピアニストにはなれず教師になったお袋と、好きで社会の教師になった親父との違いにその頃の俺は理解なんか出来ずに、本すら読まず、遊んでばかりだった。
その頃は、世界大戦が始まった時期だった。毎日のようにテレビに映される戦争は頭の悪い俺には絵空事でしかなかった。
ただ、やはりうちも貧しくなっていたのは事実だった。食事が少しずつ貧祖なものになり、電気を俺がつけっぱなしにするとお袋が目くじらを立てるようになっていた。

