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堕天使 1st gig.
第32章 防衛
武装集団は5人、生け捕りが出来たのは宗司が押さえた奴だけだったが人質の状況はお偉方が武装集団に殴られた時に出来た傷と俺達がぶち込んだ催涙ガスの影響以外は無事の全員確保といえる状況だった。

後は所轄に引き渡し、撤収にのんびりと構えていた俺の前にまたしても羽賀がやって来て

『自分達から戦場に変えるとか、あんたってどんな考え方なのよ!?』

と言われていた。俺は

『戦場になるからって防衛中隊が出動したんだろ?』

とのんびりと答えていた。そもそも俺に跳ねっ返りが見たいと言ったのは羽賀だから、俺はそれを逆手に取り、ランチャーの使用許可を上層部に取っただけだ。

この責任は羽賀に回るが人質の人命優先を死守した羽賀に小言くらいは降りても処罰は下らない。

『最低な男だって事は充分に理解したわ。』

と羽賀が呆れたように言うから俺は

『それで、結構だ。』

と答えていた。時刻は世間じゃ深夜だから、俺はただ

報告書済ませて帰ったら間違いなく朝だから、リナと美優は俺を寝かせてくれんのかね…

とリナとの約束のバーゲンとやらが気になり、それ以上は羽賀の言葉は耳に入らない状況だった。

本部に戻り、俺は宗司と報告書類を片付けていた。今回は付近の電力を落としたり、ランチャーを使ったりとしたものだから、その使用理由の説明なども報告書で出す必要があり、俺が

『面倒くせぇから羽賀の指示だって事にしないか?』

と言うと宗司が冷たい目で

『使用許可は貴方の名前で取ってるんです。』

と怒りを露わにしていた。そうやって、ダラダラと書類仕事を済ませてから俺が本部を出ようとすると五十嵐がやって来て

『美姫との仕事はどうだった?』

と俺に聞いて来た。俺は

『「じゃじゃ馬姫」との関係を教えてくれる気になったか?「じゃじゃ馬慣らし」の五十嵐さん。』

と言うと五十嵐は赤い顔になり

『話す事なんぞ何もない。ただ美姫は欲しいと思ったものには執着するタイプだからお前さんは強気でやればいい。それが美姫を相手するには一番だ。』

と言っていた。俺は

『ご忠告には感謝する。』

と言って本部を出ていた。今はとにかく俺は眠りたかった。リナと美優はきっと不機嫌になり嫌な顔をするだろうが今の俺は帰ったら寝る事しか頭にない俺だった。
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