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堕天使 1st gig.
第34章 信用
休暇明けの訓練学校では俺を信用出来ないという不満顔の訓練兵が今日も俺に走らされていた。
だが、走れない奴は戦場では死ぬだけだ。信用されようがされまいが、俺は戦場を生きて帰れる体力だけは訓練兵に身につけさせようとほとんどの訓練時間を走る事に費していた。
訓練が終わり、俺は明石を久しぶりに呼び
『この前の配属希望は本気か?』
と確認していた。明石は
『本気です。』
とだけ答えて来た。明石の希望は対テロだった。俺は明石に
『俺を信用出来るのか?』
と聞いていた。明石は少し考えてから
『それは正直に言えばまだわかりません。ただ俺は俺の兄貴の言葉は信用していますとだけは言っておきます。』
と答えて来た。
それで充分だ…
ハヤトと羽賀の信頼関係から兄弟の信頼関係が特別だと理解した俺には明石の信頼関係は今はそれでいいと納得していた。
そんな風に平穏な日々がしばらく続いていた。定期便のようにテロ壊滅作戦などはあったが、比較的穏やかな日々が続いていた。
だが、ある日家に帰った俺はただひたすら狼狽える事になっていた。
『本当に大丈夫なのか?』
『大丈夫だってば。』
『本当に本当にか?』
『しつこい!よほどじゃない限り大丈夫だし、移ったりもしないから大丈夫!』
とあまりの俺の狼狽えぶりにリナの方がキレていた。原因は美優の発熱だった。俺が帰ると美優がリビングに寝かされて、発熱で目をトロンとさせて肉まんみたいな顔になっている状況だった。
慌てる俺にリナが
『発疹熱って言って、このくらいの子供はよくなるらしいの。あまりの高熱だとダメだけど美優はそんなに熱は高くないし、とにかくミルクとリンゴジュースでしっかり水分を取れば問題はないからね。』
としっかり母親をしている状況だった。リナが言う通り、美優は時々
『いー!』
とリナを呼びリンゴジュースを飲みたがる以外は意外と元気に俺に
『あー!』
と抱っこを求めたりするくらいだった。翌日には美優の顔や手にポツポツと赤い発疹が出て
『なるほど、発疹熱。』
と俺は感心するだけだった。
だが、走れない奴は戦場では死ぬだけだ。信用されようがされまいが、俺は戦場を生きて帰れる体力だけは訓練兵に身につけさせようとほとんどの訓練時間を走る事に費していた。
訓練が終わり、俺は明石を久しぶりに呼び
『この前の配属希望は本気か?』
と確認していた。明石は
『本気です。』
とだけ答えて来た。明石の希望は対テロだった。俺は明石に
『俺を信用出来るのか?』
と聞いていた。明石は少し考えてから
『それは正直に言えばまだわかりません。ただ俺は俺の兄貴の言葉は信用していますとだけは言っておきます。』
と答えて来た。
それで充分だ…
ハヤトと羽賀の信頼関係から兄弟の信頼関係が特別だと理解した俺には明石の信頼関係は今はそれでいいと納得していた。
そんな風に平穏な日々がしばらく続いていた。定期便のようにテロ壊滅作戦などはあったが、比較的穏やかな日々が続いていた。
だが、ある日家に帰った俺はただひたすら狼狽える事になっていた。
『本当に大丈夫なのか?』
『大丈夫だってば。』
『本当に本当にか?』
『しつこい!よほどじゃない限り大丈夫だし、移ったりもしないから大丈夫!』
とあまりの俺の狼狽えぶりにリナの方がキレていた。原因は美優の発熱だった。俺が帰ると美優がリビングに寝かされて、発熱で目をトロンとさせて肉まんみたいな顔になっている状況だった。
慌てる俺にリナが
『発疹熱って言って、このくらいの子供はよくなるらしいの。あまりの高熱だとダメだけど美優はそんなに熱は高くないし、とにかくミルクとリンゴジュースでしっかり水分を取れば問題はないからね。』
としっかり母親をしている状況だった。リナが言う通り、美優は時々
『いー!』
とリナを呼びリンゴジュースを飲みたがる以外は意外と元気に俺に
『あー!』
と抱っこを求めたりするくらいだった。翌日には美優の顔や手にポツポツと赤い発疹が出て
『なるほど、発疹熱。』
と俺は感心するだけだった。