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堕天使 1st gig.
第35章 嘘
俺はただ迷っていた。五十嵐が言う覚悟なんか全く出来ていなかった。そもそも頭の悪い俺が情報という曖昧なものについて行けるだけの頭なんか持ち合わせていなかった。
ただ…、俺は怖かった。この先、リナや美優に何かの体調変化などが起きるかもしれないという事実だけが怖かった。
『覚悟とかわからねぇよ。だけど何も知らないで後悔とかしたくないんだ。』
そう俺は五十嵐に言っていた。五十嵐は
『お前さんはそれで充分だ。』
と笑っていた。後は五十嵐が調べるからしばらく俺と宗司は待ってろと言われてこの話は終わっていた。
それから2週間もすればクリスマスだった。毎年の行事とばかりに俺達は街の警邏巡回に駆り出され、今年は涼宮達に
『迷子は所轄に出来るだけ引き渡せ…。』
と言い含み、雄太達を送り出す3日間を俺は迎えていた。今年は迷子よりも痴漢騒ぎがやたらと多く、無線でハヤトが
『これが2件目です…。』
と言うと雄太が嬉しそうに
『勝った!今3件目の痴漢っす。』
と応えるから俺が
『痴漢も無視して所轄に対応させやがれ!』
とキレるくらいで後はいつもの小雪のクリスマスケーキの差し入れがあったくらい以外は何事もなく終わっていた。
報告書を済ませ、いつも通りに俺は帰るだけだった。帰りに電気屋でリナのリクエストの掃除機を買い、美優が飲むリンゴジュースを大量に買い、家に向かうだけだった。
時々、街でおしゃれなスーツ姿の男を見ると
王か?
とついつい警戒してしまうが王はあれから日本に入国した記録はなく、軍のマークも大した情報は掴めないままだと王に対しては諦めモードになっていると五十嵐が言っていた。
逆に戦闘服で街をウロウロする俺に対して、嫌な顔をして見て来る奴らが何人か居て、軍縮ムードがまた盛り上がりつつある世の中を俺は実感するだけだった。
平和はいい事だと思っている。だけど俺は平和だと自分の居場所がない不安に駆られてイライラとしてしまう。
そんな矛盾を抱えた俺はリナと美優が待つ家に向かっていた。
ただ…、俺は怖かった。この先、リナや美優に何かの体調変化などが起きるかもしれないという事実だけが怖かった。
『覚悟とかわからねぇよ。だけど何も知らないで後悔とかしたくないんだ。』
そう俺は五十嵐に言っていた。五十嵐は
『お前さんはそれで充分だ。』
と笑っていた。後は五十嵐が調べるからしばらく俺と宗司は待ってろと言われてこの話は終わっていた。
それから2週間もすればクリスマスだった。毎年の行事とばかりに俺達は街の警邏巡回に駆り出され、今年は涼宮達に
『迷子は所轄に出来るだけ引き渡せ…。』
と言い含み、雄太達を送り出す3日間を俺は迎えていた。今年は迷子よりも痴漢騒ぎがやたらと多く、無線でハヤトが
『これが2件目です…。』
と言うと雄太が嬉しそうに
『勝った!今3件目の痴漢っす。』
と応えるから俺が
『痴漢も無視して所轄に対応させやがれ!』
とキレるくらいで後はいつもの小雪のクリスマスケーキの差し入れがあったくらい以外は何事もなく終わっていた。
報告書を済ませ、いつも通りに俺は帰るだけだった。帰りに電気屋でリナのリクエストの掃除機を買い、美優が飲むリンゴジュースを大量に買い、家に向かうだけだった。
時々、街でおしゃれなスーツ姿の男を見ると
王か?
とついつい警戒してしまうが王はあれから日本に入国した記録はなく、軍のマークも大した情報は掴めないままだと王に対しては諦めモードになっていると五十嵐が言っていた。
逆に戦闘服で街をウロウロする俺に対して、嫌な顔をして見て来る奴らが何人か居て、軍縮ムードがまた盛り上がりつつある世の中を俺は実感するだけだった。
平和はいい事だと思っている。だけど俺は平和だと自分の居場所がない不安に駆られてイライラとしてしまう。
そんな矛盾を抱えた俺はリナと美優が待つ家に向かっていた。