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堕天使 1st gig.
第35章 嘘
もうすぐ美優の一歳の誕生日、美優と普通に会話が出来るようになるのもそう遠い話しじゃないと俺はリナと笑っていた。

だが、そんな平和な日の中で、やはり休暇の日に五十嵐から呼び出しがかかって来た。リナは少し寂しそうに

『五十嵐と仕事なら今日は小雪ちゃんとお昼ご飯でも食べて来るよ。』

と言って出かける俺を見送っていた。

五十嵐と宗司と待ち合わせ場所で合流すると五十嵐が

『市ノ瀬の家の近くの銀行に向かってくれ。』

と俺に言っていた。俺は五十嵐に言われるままに車に五十嵐と宗司を乗せて再び市ノ瀬の家がある街に向かっていた。

銀行では五十嵐が軍の書類を見せて、銀行側の年配のきっちりと髪を押さえ付けたサラリーマン風の男と何かを話していた。

五十嵐が俺と宗司を手招きし、そのサラリーマン風の男は

『出来れば1時間程度でお願いします。』

と言ってから俺達を銀行の奥へと案内していた。俺達が向かったのは銀行の貸金庫室だった。サラリーマン風の男は五十嵐からカードキーを預かり金庫を開けると中から鉄の箱を出し、金庫の真ん中に置かれたテーブルの上にその鉄の箱を置き

『失礼致します。』

と金庫室から出て行った。俺は五十嵐に

『何が1時間程度なんだ?』

と聞いていた。五十嵐は

『調べる内容が軍の機密だから防犯カメラとかを全て切らせたんだ。』

と言って来た。呆れた俺に五十嵐は

『さっさと市ノ瀬の預けた物を調べるぞ。』

と言っていた。五十嵐が市ノ瀬の家で見つけたカードキーはこの銀行の貸金庫のカードキーだった。ここは警察も捜査を行っていないから五十嵐は俺達が怪しまれずに確認出来るようにと色々と根回しが必要だったと言っていた。

一体いくつの規約違反を五十嵐はやったんだ?

そんな事を考えながら、俺は鉄の箱を開けていた。中はかなり分厚い日記が3冊と茶封筒があり、茶封筒の中身は家の権利証や株券などで大した情報ではなかった。

問題は3冊の日記だった。ざっと見ただけで日記というよりも実験や何かの記録のような内容だった。俺は五十嵐に

『1時間じゃこれは無理だ。』

と言うと五十嵐は自分のリュックにその3冊の日記を詰め込み

『だったら持って帰ればいいだけだ。』

と平然と銀行から出て行き、俺と宗司はそんな五十嵐をアタフタと追いかけるだけしか出来なかった。
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