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【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?
そう強く己を責めるからこそ“射精する”ことを暗に恐れたのだろう。ならば、いっそ生涯に渡り禁じてくれればいい。
それなのに何故、潤を抱く、この夢に中で――またしても。その快感が巨大であればあるほどに、涼の精神は……。
だが、今、腕の中に抱く潤の身体は、とても生き生きとしていた。それを実感するから涼は「そうなのだろう」と予感を強めた。
今夜、自分の精神が崩壊する代わりに、潤の御霊が蘇るのではないか――と。
虚構と現実に在る、今だからこそ。涼はそんな錯覚を信じようとしていた。否、信じたかったのだろう。
そして、もし――そうならば。この夢の中で、潤を抱くことに、涼はもう些かの恐れも感じなくなった。
自らの聳え立つ罪悪を、また、か弱き妹の最中へと突き立てんとして。
「僕も……覚悟を、しよう」
涼はその衝動に、身を委ねてゆく――