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【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?


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 潤の人生を哀しく思う余り、それを消せないからこそ。紺野涼にとって、その夢の行き着いてしまう先は、いつだって残酷だ。

 自分の抱く腕の中にいる「恋をしたい」とそう言った妹の、確かに願いを果たそうとした結果であるのかもしれないけれど……。

 鮮明な記憶を基に彩られし、この夢の場所で。涼は心をざわつかせながら、ぬるぬるとした手の動きで潤の衣を脱がしていった。

 そうして小さな胸の膨らみをそっと撫で、その頂を口に含み入れた時だ。

 おや? と、そう感じた訳は、その感触が随分と生々しかったからだろう。

 乳首は緊張と高鳴りを感じさせるように硬直していて、微かに震えていた。ぴくり、と敏感な全身の反応にも、実感が襲った。

 涼は自分の下で横たわる、その眼差しを見る。そうして――

 似ている――否、やはり同じだ、と思った。

 彼女の瞳はどこか、虚ろで儚い、そんな光を宿しているから。それは、やはり潤なのだと。自分が虚構と現実の狭間にあるなんて、それを認めようとはしてない。

 だから、いつも以上に真に迫って来る、この夢の場面を、涼は「そうなのだろう」と感じている。

 ずっと苦痛だった。快楽の大波と――。背徳の深淵と――。罪悪の牢獄と――。それらが混ざり合う一瞬が、なににも増して。

 潤の命を縮め、寂しい最期を迎えさせてしまった。本来なら命の始まりとなるべき情交が、その逆の結果を齎している。しかも、最愛の妹に対して。
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