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【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?
急速に――それでいて緩やかに。なにかから覚めてゆくのだ、と――。
いわば夢世界と現世、そのトワイライトゾーンにあったこと。それを、おぼろげに自覚させられていた。
「――!?」
紺野涼は自分の下にいる、白隅サラを見つめた。
その周囲には彼女の衣服が乱雑に散らかされ、彼女自身はほぼ裸だった。両手で胸を覆うと涙に濡れた瞳で、じっと涼を見上げている。だが――
「……」
サラの眼差しは、涼を非難するような意図のものとは違った。
「僕、は……?」
自分は白隅サラを抱こうとしていたのだろうか。覚めたこと、また――急速に冷めていたことで、未だ状況を正しく把握できない。その想いに反して身体の一部分が異様に、熱かった。
朦朧とする涼に、サラが話す。
「ごめんなさい……」
「え?」
「その……紺野さんのことを言ったわけじゃないんです……『いやっ』って」
ああ、そうか。やはり聴いた声は、彼女の。でも、何故、彼女が……?
涼がゆっくりと一つづつを理解する前に、サラの言葉が続く。
「大丈夫、ですよ。だから――」
サラは、なにも着けていない胸を、両手で隠すのをやめている。