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【Onlooker】~サラが見たもの~
第6章 共にする、一夜?


「――!?」


 それと同時に、ゾッとした快感が涼を襲った。

 熱くなって唯一、熱を帯びたままの部分――それを、白隅サラの両手に掴まれているのだと、わかる。


「なに……を?」


 訊く、が――


「私、思ったんです」


 サラはそっと瞳を向けて、ゆっくりした語り口で、涼に伝えた。


「人生には喜びも悲しみも――快楽も苦痛も――確かにあって。正反対の、そのどちらも、おろそかになんてしてはいけない。両方が大切……必要なものなのだと、思うから」


 サラはそう話しながら――


「うっ……」


 聳え立つような涼の猛りを、緩やかに擦り上げていた。


「でも、ダメ」

「えっ?」

「相反する二つを、一緒くたにしては――駄目です。そのひとつずつを、正しく――だから、今だって」

 そう言って次第に、サラは両手の動きを早めた。


「さあ、絡まった想いを解いて――そして、今は感じてください」



 それにより激しく迫り来るような、快感を認め。

 それに全てを委ねる前に、涼は――訊いた。



「キミ……は?」

「私は――サラ」


 ニッコリと微笑んだ、現実の――その慈愛の笑顔に導かれるようにして。



 ああっ――!



 紺野涼は、射精していた。


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