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【Onlooker】~サラが見たもの~
第7章 その関係は、曖昧?

「少し休んでいるといいよ」


 シャワーを終えたサラは紺野にそう促されると、バスローブ姿のままソファーに身を委ねた。気を張っていたせいで疲れていたのかもしれない。眠るつもりではなかったが、結局は一時間以上はうつらうつらとしていたようだ。

 そこはかとなく気配を覚え、そっと目を開けると――。


「やあ、お目覚めかな」


 差し込んだ朝陽に照らされ、爽やかな笑顔がサラを迎えていた。


「おっ……おはようございまするっ――?」


 語尾に珍妙な装飾を施しつつ、恐縮して立ち上がったサラはペコリとその頭を垂れた。


「アハハハ――うん、オハヨウ」


 紺野涼はそう挨拶を返すと一頻り楽しげにクスクスと笑い、その後で椅子に座った自身の右側を指して言った。

 きょとんと見つめた先は、まるでショップの一角のよう。ハンガーラックに色とりどりの流行の衣服がずらりと掛けられていた。


「えっと……コレは?」


 不思議そうに視線を戻したサラに、紺野が言う。


「着ていた服を台無しにしてしまったから、せめてものお詫びというわけなんだ。急に用意させたものだから、あまり大したものはないかもしれないけどね」

「えっ、でも……」

「どれでもお好みのものを、お召しくださいませ――お嬢さま」


 と、少しおどけてみせた紺野は、サラが服を選び着替えるように、暫く部屋を外してくれた。


 確かに代えの服の用意はなかったけど……。


 そう思いつつ遠慮がちに服を見て、サラはぎょっとする。そのどれもが普段はおよそ手の出せない高級ブランドの逸品ばかりだった。


「うわぁ、どうしよう。こんな高そうな服、私が着てもいいのかな――!」


 そんな風に言いながらも一点、サラが目を止めていたのは――?
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