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【Onlooker】~サラが見たもの~
第7章 その関係は、曖昧?
ホテルを出て朝の街並みを車窓から眺めるようにしながら、サラは窓に映る黒木の横顔を気にした。それはいつも通り素っ気ないもののようでもあり、しかし、どこかいつもとは違っても見えた。そして、思う。
そもそも、服が昨日と違っている、という以前の問題。サラは紺野涼とホテルで一夜を共にしたのだ。それが一大事実である以上、ミニワンピのことだけをあれこれ言っても仕方なかった。
だから――
「あの……聞いてほしいんだけど」
「あ? なんだよ」
「うん。あのね――」
赤信号で停車中に黒木に視線を向けられると、サラは昨夜の状況をまず自分の頭の中で整理した。
状況一、紺野に一晩一緒にいるように頼まれ、サラはそれを受諾。
状況二、紺野の寝姿を見ていたら、急にベッドに引き込まれた。
状況三、キスをされ、服を脱がされた(注、パンツ以外)。
状況四、軽い愛撫を受け、それに反応している。
状況五、紺野の勃起したペニスを両手で扱き、射精に導いた。
状況六、その結果として全身に精液を浴びてしまう。
これらを総合的に鑑みた結果――。
は、話せるわけ……ないじゃん!!
言葉を引っ込めると同時に、昨夜一晩で自分がしていたことを改めて確認すると、頭に血が昇り過ぎて可笑しくなりそうになる。
どうして平然とあんなことができたのだろう、と今更ながらに思い。さっきまで浮かれていた自分にも、些か呆れてしまう始末だ。
「あの……さ。やっぱ、なんでもないです……」
「……」
一人悶々とするサラを見て小さくため息をついた黒木は、青信号で車を発車させる。