この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
「私ね、前から思ってたんだけど」
「は、はあ……?」
「黒木くんって、結構いい男よねー」
ソファーの上。そう言って自然と近づきつつある零子の顔に、ようやく黒木はハッとしている。
期せずして押し倒されたこと。その流れのままにキスされそうな、そんな距離まで接近した紅い唇に焦ったのだろう。
「どっ、どうしたんすかっ――急にっ!」
黒木は零子の肩に自分の手を置き、それを突っ張るようにして覆い被さる零子の身体の下から、自分の上半身を引き抜いた。
そうしたことで、急接近していた危険な唇を遠ざけることには成功。が、そうしたことにより、状況の危険度としては寧ろ悪化傾向なのかもしれない。
「あら、ふふ」
そんな風に顔を綻ばせた零子の目の前には調度、黒木の股間の辺りが位置してしまっているのだった。
スーツのズボンの太ももの辺りから、俄かに両手を擦り上げるようにされ――。
「しゃ、社長……ホントにもう、勘弁してくださいって……」
黒木がおそるおそると様子を窺うのだが、どうやら零子の方はその言葉に耳を貸すこともなく――。
「早漏なんて、そんな気にすることないのよ。ほぉら、お姉さんに見せてごらんなさい」
色っぽい感じでそう囁きかけながら、零子の指先がズボンのチャックを摘まみ、それを徐に下げようとしている。