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【Onlooker】~サラが見たもの~
第8章 危険な、遊技?
「そうなの……全ては、私が至らないばかりに……うううっ……」


 零子はくすんと、まるで少女のように弱々しく啜り泣き落ち込んでいる。

 そんな感じの零子に纏わりつかれ、サラは只々あたふたとして――。


「あわわ……ねえ、零子さん……どうしたんですか、急に……?」

「だってぇ……私には、女としての魅力が足りないみたい……だから、それが口惜しいの」

「そ、そんなわけないですって! 零子さんは魅力に溢れた女性で――私だって憧れています」

「ぐすん……本当に?」

「え、ええっ、もちろんです」


 なんとか泣き止もうとする零子の様子に、とりあえずホッするサラであったが……。


「じゃあ、サラちゃん――ひとつだけ教えてくれない?」

「はぁ……なんでしょうか?」


 と、おそるおそる零子の顔を覗き込んだ。すると――


「あの紺野涼を、どうやって満足させてあげたの。私や咲花でも、それは無理だったことなのに」


 零子はサラの目をしっかりと見据え、そのように訊いた。


「ど、どうって言われても……」


 そうして困ったサラが自然と視線を向けた先では、紺野涼がいつものように穏やかに微笑んでいるから。

 貴方のことを話しているのに、どうしてそんな風に笑っているんですか?

 と、サラはそのように、その瞳で訴えかけていたのだろう。たぶん、それを察して――


「それは、僕とサラさん――二人の秘密なんだ。だから――」


 そんな風に話した紺野が、その次に紺野が問いかけたのは零子でも咲花でもなくって――。


「だから、そんな顔で睨んでも教えてあげないよ――黒木くん」

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